司会役

とあるミーティングで司会役を買って出たのだが、人の意見を引き出しながら場を進行させることのむつかしさを痛感した。「みなさんどうですか?」と振ってもほとんど反応がなく、そろそろ締めようかという頃合いで終わった議論に質問が出たりして、どう対処していいのか判断に困る場面が多かった。

ただ、ミーティングの司会進行にあたって一つ決めていたことがあった。それは、司会に振られてさえもなにも発言しない人は無視する、ということ。そもそも、ミーティングは意見を出しあって相互にたたき合いながら「妥協点/落とし所」を探るものだと思っている*1。その立場からすると、「無言」はミーティングを軽んじている/形骸化させているものに見える。だから、出される意見は、論点を整理しながら参加者に最大限理解可能(だと思われるよう)なかたちで議題として取り上げるが、無言によってミーティングそのものに参加しない、あるいはそれを成立させようとしない人は相手にしない、と。

とはいいながらも、できるだけ「参加」してもらうように努力はしたが、結果が出なかった。結果が出ないのであれば意味はない。初志は貫徹しておくものだと実感した。

ただ、形骸化しつつあるミーティングとはいえ、ミーティングなどの「形式」は、日常生活では意外にバカにできないものだと思う。それに沿ってさえいれば、ある程度の「自由」を手にできるからだ。自分の発言に効力が出るし、相手とのコミュニケーションをとることも可能になるし。

とにもかくにも、司会進行はしんどかった。

*1:もちろん、そのミーティングに参加したメンバーや議題に左右されはするが