出版関係

再販制度の弾力運用
 出版流通制度の要とされる再販制度は、一応の存続が決定したものの、将来的に廃止される可能性は依然として高いし、現代の社会状況に再販制度が対応できなくなりつつあるのは事実である。廃止を阻止するのであれば、再販制度をどのように構築しなおすのか、部分再販や時限再販をどうやって実施していくか、両者を読者にどう知ってもらうかは早急にクリアしなければならない課題だといえる。また、小売店での書籍販売時のポイント制を再販制度との折り合いをつけながらどのように実施していくのか、読者還元分のためのポイント制(値引き)を完全に書店だけに負担させていいのかも問題だ。

②流通経路の多様化
 近年では、インターネットの普及によって、流通経路が多様化してきた。たとえば、メールを介した版元から読者への直販や、WEB書店からの販売などである。また、二大取次を介さずに書店との直取引で商いをおこなう版元も現れたが、彼らが使用している流通は大手宅配会社である。このような多様化の傾向は、商業形態の多様化が進む現代社会では当然のことだと思われる。